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記録

栃木の在来の作物として何十年も継承されてきたもの、
家庭内でおじいちゃんおばあちゃんの代から継いできたもの、
他県から持ち込まれ栃木の地に馴染みながら作り続けられているもの・・・。
過去から未来へ栃木で繋いでいく、継承可能作物について、
取材をもとにスケッチやレポートで紹介していくページです。

 
 
about

一般社団法人 種子の会とちぎ 

 

「地域継承可能作物」

図鑑制作の活動趣旨

 

​ 2018年4月に主要農作物種子法が廃止され、2020年4月に「栃木県奨励品種の優良な種苗の安定供給に関する条例」が施行されました。​種子法は、米、麦、大豆の優良な種子の生産及び普及を「国が果たす役割」と定めた法律で、廃止に伴い栃木県が出した条例は、他の自治体のように「国に代わり優良な種子を守る役割を県が責任を持って果たす」というものではなく、民間へ委託し開放するという、本来の種子法の意図を見失ったものになってしまいました。国会では、種苗方法の改定を進める動きもあります。


 そのような状況下で、 2018年から活動を続けてきた「種子の会とちぎ」は、2020年2月に一般社団法人として再スタートを切り、米や麦、大豆などの主要作物の保護事業を行っています。また、新たに、栃木県内で種をつなぎ固定されている作物を、登録品種と混同され流ことを防ぎ、しっかりと、その存在を伝えていくために、調査し記録していく活動をスタートさせました。「固定して◎年以上の作物」という定義付は行わず、栃木の在来の作物として何十年も継承されてきたものも、家庭内でおじいちゃんおばあちゃんの代から継いできたものも、他県か持ち込まれ、栃木の地に馴染みながら作り続けられているものなどを広く対象とし、それらを「地域継承可能作物」と呼ぶことにしました。

継承可能作物とは、栽培される地域の気候風土、地形地質などから自然選択または人為的に選択され獲得した特性(形質、味など)を持ち、それは特定の種にとどまらず、その地域の土壌 − 植物系を中心とした生物間相互作用によって獲得され、将来へ継承して行くことができる多様性と許容性、可能性を持っているものと考えます。私たちは、そうした地域的な作物の特性を調べ、環境との関連性、つながりを考え、記録し、広く知らしめることで、種を守り将来へつなげたいと思います。


2020年の春には、ネットワークを通じて農家の皆さんへアンケートも行いました。ご協力をいただいたみなさま、ありがとうございました。すべての方のお話を伺いにいくことは叶いませんが、少しずつ取材も進めてまいります。

作物や育てている人のこと、その作物が継がれている土地のこと、人の健康への効能に着目した料理法のことなどを、このページでは伝えていきます。ゆくゆくは、図鑑としてまとめ、未来を担う子どもたちにバトンを渡せたらと願います。

編集部
飯沼靖博:作物や人のイラストレポート担当(那須塩原市)
廣瀬俊介:作物が育つ環境や土地のレポート担当(益子町)
小鮒ちふみ:作物の効能や料理法担当(那珂川町)
小山博子:編集担当(益子町)
簑田理香:編集担当(益子町)

 

 
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